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腎臓への負担が少ない、やさしい食事(フード)とは? 腎臓の働きと「生食」

腎臓への負担が少ない、やさしい食事(フード)とは? 腎臓の働きと「生食」

現在、犬も猫も、腎臓のケアで悩まれている飼い主様が、数多く存在します。

巷には、腎臓ケアを謳ったペットフードが溢れ、特に猫用のドライフードについては、流通量の、実に7割以上が、腎臓への負担を軽減するとされるキャットフードで占められている、と言われています。

なぜ、こんなにも多くの犬や猫たちが、腎臓を傷めてしまっているのでしょうか?

まず、考えられる第一の理由として、圧倒的な「水分摂取の不足」です。

腎臓は、“血液中の老廃物をろ過する器官”として、大きな役割を担っており、その代謝に関わる、血液の循環や、こし取った老廃物の排泄に、必要不可欠なのが「水分」です。

犬や猫は、本来、生きた獲物を捕まえて食べる「肉食動物」で、生きた獲物には、当然、血が通っています。そして、生き物の体を構成する成分のうち、60%以上が「水分」です。

つまり、肉食動物である犬や猫は、生きた獲物を捕食すれば、同時に「水分」も、自然と摂取できていました。

しかし、現在、販売されているドライタイプのペットフードの多くが、与える人間側の利便性の都合上、穀類を多く使い、焼いて固められた、粒タイプのものが主流となっていて、その水分値は、おおよそ10%前後しか残っていません。

毎食、60%の水分を摂取できていた食べ物が、10%の水分になってしまえば、食事をするたび、本来の1/6程度の水分しか摂取できないため、体に必要な水分が慢性的に足りない状態になってしまいます。

腎臓に問題を抱えたコの飼い主様から度々、「うちのコは水をあまり飲まなくて…」とのお悩みをいただくことがあります。

この原因のひとつとして、本来、体に必要な水分を、食事に含まれる水分から自然に摂取していた“肉食動物の特徴”によって、食事とは別に『水だけを飲む行為』自体を、あまりしないコが多いから、という理由も考えられます。

肉食動物の体のつくりをした、犬や猫にとって、食事からの自然な水分摂取は、とても大切です。それが、人間の都合で「安く」「便利に」作られたペットフードによって危ぶまれてしまうのは、とても悲しいことです。

そして、第二の理由として考えられるのが、「腎臓機能への継続的な負担」です。

腎臓は、血液中の不要な栄養素などの“老廃物”をろ過して取り除き、きれいな血液として血管に戻す、という大きな役割を果たしています。

その他、血圧や体液量、ミネラルバランスなどの調節や、血液や骨をつくる働きにも関わっている、小さいながらも、とても重要な器官です。

その中でも、主要な役割の「血液をろ過する働き」は、とても重要で、これには、摂取する食事の内容が大きく関わっている、とされています。

では、血液の中の“老廃物”とは、いったいどんなものなのでしょうか。

動物は、体を動かすための「活動エネルギーの生産」や、生きていくために古い細胞を新しい細胞に入れ替える「細胞の新陳代謝」を体内で毎日、行っていますが、そのためには、食事から摂取した栄養と、その栄養の中のタンパク質から作った「酵素」を利用して、体の各器官の細胞の中で『代謝』という化学反応を起こし、それらの生命活動をしています。

“老廃物”とは、その『代謝』の際に生じた“副産物”や、使い切れなかった“余分な栄養”などのことを指します。

“老廃物”は、『代謝』が起きると必ず生じるものなので、その『代謝』自体を減らして“老廃物”も減らしてしまおう、とする直接的な考えが、これまでの一般的な、悪くなった腎臓への対症方法とされてきました。

その際、やり玉にあげられてしまったのが「タンパク質」です。

「タンパク質」は、代謝される際に、“副産物”として毒性の強い「アンモニア」が生じるので、肝臓で「尿素」に変えられ、腎臓から排泄されます。血液中に尿素が増えてしまえば、当然ですが、それを排泄するために、ろ過をする器官である腎臓の仕事量が増えてしまうので、「タンパク質」の摂取を抑えてしまおう、という理由です。

しかし、「タンパク質」を減らす、ということは、体にとって、必要不可欠な栄養を減らすことになってしまいます。

なぜなら、動物にとって「タンパク質」は、自身の細胞の構成比では、水分以外で一番多く使われている材料で、被毛から皮膚、目や脳、筋肉や骨・関節、内臓など、体の全てで利用されており、代謝をするために絶対的に必要な「酵素」の原材料でもあります。

つまり、体の中で毎日行われている「活動エネルギーの生産」や「細胞の新陳代謝」など、生きていくために必要な生命活動そのものが抑えられてしまうため、その調節はとても難しく、「タンパク質」の代謝利用が活発な器官(肝臓、筋肉など)への悪影響も考慮しなければなりません。

また、腎臓の健康の目安とされている、血液中の「尿素窒素(BUN)」や「クレアチニン」に関しても、その数値だけで、腎臓の状態を判断することは、とても難しい、と言われています。

低タンパク食を続けていけば、徐々に体内のタンパク質量も減り、その副産物である尿素も減るので、血液中の「尿素窒素」の濃度は下がります。

同じように、筋肉の代謝産物である「クレアチニン」も、低タンパク食により、体内のタンパク質量が減ってしまえば、それを補うために筋肉中のタンパク質が分解されて筋肉量が減るため、当然ですが「クレアチニン」も自然と下がってしまうのです。

つまり、低タンパク食を続ければ、腎臓の状態に関係なくとも、その2つの数値は下がってしまう、という事実があります。

そもそも、腎臓は「回復しない臓器」と言われていますが、本当にそうなのでしょうか?

腎臓は、血液をろ過する、フィルターの役割をしている臓器ですので、腎臓内部では毛細血管が細かく枝分かれをして、その先にある「ネフロン」という場所で、老廃物のこし取り作業をしています。

「ネフロン」は、小さな腎臓の中に、犬では約80万個、猫では約40万個あるとされており、その「ネフロン」を構成する「糸球体」や「尿細管」なども、毛細血管が変化してできているため、腎臓は『毛細血管の集合体』、とも言えます。

生き物にとって、血管は、栄養が体の隅々にまで行き渡るように、全身に張り巡らされた、大切なパイプの役割をしているので、傷付いたり、古くなったままにしておくことはできません。食事で取り込んだ栄養を使い、体の中で毎日行われている新陳代謝によって、日々、新しい血管が再生されています。

それは、腎臓でも同様に、腎臓内の毛細血管や、腎臓自体も日々、新陳代謝を繰り返しています。

そして、その「血管の再生」に使われる材料として、一番に必要とされる栄養は、アミノ酸、つまり、食事に含まれる「タンパク質」なのです。

犬や猫は、何百万年も何千万年もの間、肉食動物として進化をしてきました。

捕食した、生きた獲物から得た、動物性の栄養を消化吸収できるように、内臓が発達し、取り込んだ栄養を自身の体の材料やエネルギーとして補ってきたのです。

そして、その内臓のつくりは、ほとんど変わることなく、現在に至っています。

しかし、現在、多くの家庭で使用されている、ドライタイプのドッグフードやキャットフードには、原材料の半分以上に、穀類やイモ類、豆類などの植物性の材料が使われ、本来、利用してきた動物性の栄養は、全体の2割ほどしか入っていません。

栄養の保証分析値が満たされていたとしても、その中身が、植物性のものが大半だった場合、本来、動物性の栄養を効率よく利用してきた動物にとっては、不足してしまう栄養や、必要とされない無駄な栄養が、大量に出てしまうのではないでしょうか?

実際に、植物性のタンパク質と、動物性のタンパク質では、タンパク質の元である20種類のアミノ酸の含有割合も異なりますし、動物性のものにはほとんど入っていない「糖質」が、植物性の穀類などには大量に含まれています。

利用されない余分なアミノ酸は、代謝され、排泄されなければなりませんし、エネルギー利用や、脂肪として蓄えきれなかった「過剰な糖質」は、血管の中を巡り、血糖値を高めてしまうだけでなく、『糖化反応』という、恐ろしい状態を引き起こしてしまいます。

『糖化反応』は、血液中の「過剰な糖質」が、体内の組織に含まれるタンパク質と結合して「終末糖化産物(AGEs)」という、様々な疾患の原因として注視されている物質を産み出してしまうもので、代謝の活発な場所で起こりやすい、とされており、影響が懸念される器官の中には、腎臓(糸球体)も含まれているのです。

 事実、近年、人間の社会では、癌や糖尿病など、毎年、増え続ける生活習慣病に呼応するように、食事に含まれる「過剰な糖質」に対して警鐘を鳴らす声が増し、栄養成分に“糖質”の含有量を表示する食品メーカーが年々、増えている一方で、ドッグフードやキャットフードに関しては、糖質の含まれた成分である「炭水化物」の表記義務すらありません。

「食事」は体をつくります。これは、一貫してお伝えしていることであり、不変の事実です。

私たち人間も、犬も、猫も、食事によって栄養を取り込まなければ、生きていくことはできません。そして、体の中の細胞にとって、利用できる栄養と、その量は決まっています。

地球上のすべての生き物は、その栄養をどのように摂取するかで、進化をしてきました。

犬や猫は、本来、肉食動物です。「獲物を捕まえて食べる」のと同じ栄養が摂取できれば、肉食動物として、内臓を進化させてきた「体のつくり」に、無理をさせずに済むはずです。

十分な水分が含まれ、自身と同じつくりの、動物性の細胞からの栄養に満たされ、体を傷つけてしまうような、本来摂取しなかったものが入っていない食事…それが犬や猫にとっての、本当の健康に繋がるのではないでしょうか。

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長い間、タンパク質制限をしているにも関わらず、慢性的な腎臓の疾患が改善されていないコや、尿路の結石や結晶がなかなか解消されないコの飼い主様にも、たくさんのお喜びの声をいただいているK9ナチュラルを、ぜひ皆様の、愛犬・愛猫の健康にお役立てください。