獣医師本村伸子先生特別コラム「猫たちにグリーントライプが必要な理由」／熱中症予防に！「グリーントライプ水」／ご愛用者の声｜Community News

食事と健康

日本国内で２０年以上に渡り、犬や猫の食事の大切さを説いてきた、

手作り生食の草分けである、獣医師　本村伸子先生。

本村先生は、本当の意味での「病気の予防」について

犬や猫の飼い主様に対して啓蒙活動を行われる中で、

愛犬・愛猫の健康を守るフードに、手作り生食以外の1つの選択肢として、

K9ナチュラルをご紹介いただいております。

今回のテーマは、K9ナチュラルの商品の中でも一番人気の、

「グリーントライプ（子羊や牛などの反すう動物の胃袋）」！

猫たちは、「グリーントライプ」の匂いを嗅ぐだけで大興奮ですが、

美味しいだけではなく、どんな栄養が詰まっているのか、覗いてみましょう！

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＜反芻動物と微生物の関係＞

私たち人間は雑食動物で、肉から米などの穀類や野菜まで様々な食材を利用することが出来ます。完全肉食動物である猫たちは、主に肉を中心とした食材を食べるように体の構造が出来ています。犬たちは猫と人間の中間に位置して、主に肉を食べますが、猫とは違って小さな木の実や果物なども上手に消化することが可能です。

今回は、ちょっと肉食から離れて、草を食べる動物たちの中でも反芻動物に焦点を当ててみたいと思います。犬や猫たちは胃がひとつしかありませんが、反芻動物は胃が4つ（3つの動物もいる）あります。

ではなぜ反芻動物たちには4つも胃が必要なのでしょうか？

みなさんは、牛や羊などを牧場などで見る機会があるかと思います。犬や猫たちと比べると、はるかに体が大きいのが分かるでしょう。彼らの主食は草です。不思議に思いませんか？

あの大きな体を維持するのに草だけを食べるなんて！！

牛の体と牛が食べる草の組成を比べてみると、

自分たちの体の組成に近い食べ物ほど体には負担がかからないので、体の組成に近いのが理想的な食べ物だと言われています。アルファルファという牧草の組成は、脂質が極端に低く、糖質が多くを占めるのが分かります。草をたくさん食べたとしても、牛たちに必要となる栄養素を得るにはほど遠いことが理解できると思います。

ここで重要になるのが実は微生物なのです。体内の微生物と聞くと、みなさんは腸内細菌を思い浮かべるでしょう。腸内細菌は今非常に注目を浴びていますが、反芻動物たちは腸だけでなく、胃にもたくさんの微生物を飼育しています。4つある胃の一番目と二番目に微生物がたくさん棲んでいるのです。例えば、体重が600キロ近くにもなる雌のホルスタイン（乳牛）の第一胃はなんとドラム缶一本分にもなります。

この大きな胃の中では何が行われているのでしょうか。

牛が食べた草にも沢山の微生物が付着しています。これらの微生物と胃の中にいる微生物たちは、草を発酵しながら、自分たちが増えるのに必要となる栄養素をどんどん作っているのです。

ちょっと詳しくみてみると、

・食物繊維の分解：セルロースを分解する酵素セルラーゼを持っている微生物によって食物繊維が分解されて、ブドウ糖を作ります。

・短鎖脂肪酸の合成：食物繊維が分解されてできたブドウ糖から短鎖脂肪酸を作ります。酪酸、プロピオン酸、酢酸などが短鎖脂肪酸です。これらの脂肪酸は牛たちの大切なエネルギー源になります。反芻動物のエネルギー源の60％はこれらの脂肪酸になります。

・様々なビタミンの合成：ビタミンB群とビタミンKの合成

前述のように第一胃内では微生物によって様々な反応が起きているのですが、最も重要な栄養素は蛋白質です。表を見てもらえると分かるように、草に含まれる蛋白質はとても少ないですよね。

実は大切な蛋白質は牛たちのためではなく、微生物が増えるためにあります。草に含まれる蛋白質を利用して何十倍にも増えた微生物は、反芻動物の4番目の胃（犬や猫の胃と同じで胃酸が分泌されている）へ到着すると死んでしまいます。死んでしまった微生物は大切な蛋白質源として利用されます。実は増えた微生物は草に含まれる蛋白質よりもバランスがとても良いのです！反芻動物は第一胃内の微生物に餌を与えて増やし、そして最終的には微生物は蛋白質源となり、筋肉を作るのです。美味しい焼き肉も、実は微生物のお陰なのです。

みなさんの中にも飼われている犬と猫たちにこの微生物たちを与えている方がいるのですよ。グリーントライプという言葉を聞いたことはないでしょうか？トライプとは反芻動物の第一胃・第2胃の事です。
（※ K9ナチュラルのグリーントライプは、反芻動物の第一胃・第2胃を使用しております。）

グリーントライプの中身は、胃の内膜を含むだけでなく、実は微生物によって作られた栄養素、そして何と言っても様々な種類の微生物が含まれているのです。これらの微生物は肉食の犬と猫たちの胃内では生きることは出来ないので、死んでしまい、そして良質な蛋白質源になります。

今年の夏も暑くなりそうです。微生物たっぷりのグリーントライプをモリモリ食べて、犬や猫たちも元気に夏を乗り切って欲しいですよね。

【講師プロフィール】

　獣医師　本村伸子

山口県生まれ
1989年　酪農学園大学獣医学科卒業、獣医師免許取得
1996年　日本女子大学心理学科卒業
関東、関西、九州を中心に、本当の意味での犬と猫の病気の予防についてのセミナーを定期的に開催。
主な著書に「ペットを病気にしない」、「シッポの『願い』」、「もう迷わない！ペットの健康ごはん」などがある。

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